佐々井秀嶺師のインドでの頑張り 

今日のサンケイエクスプレスに、インドの首都ニューデリーのスラムで暮らす
約180人の子供たちが、地元NGO「ASHA」の支援によって、国立デリー大学など
への入学を果たした、とあった。
なんと素晴らしいことだろう。ニューデリーには400万人近いスラム居住者がいる。
カースト制度の中ではまずあり得ないことだ。



8月13日深夜2時38分からフジテレビで、インド ナブプールでカースト制度の元、
不可触民と言われるヒンズー教徒の人々を仏教徒に改宗させている
佐々井秀嶺師(74歳)が、44年ぶりに日本に帰国し、二ヶ月日本に滞在した記録
を放映していた。

私も2003年より、10年プロジェクトで井戸掘り、溜池作り、学校建設、ニーム植林
をしている関係上、インド及び佐々井師には大変興味があった。



仏教の始祖 釈迦尊は誰でも知っているが、中興の祖 アンベードカルの事は
あまり外国では知られていない。

1956年、不可触民出身のアンベードカルが、インドで50万人の不可触民を仏教徒
に改宗させたのだ。
それから50年、佐々井師が2006年、5000人の僧侶をつくると宣言し、7000人の人々が
僧侶となった。この時の参加者は20万人だったそうだ。
インドでは大変に有名人の師が2ヶ月間日本で見たものは・・・・・
「日本では金がないと生きていけない。インドでは無くても生きていける。」

広島の原爆ドームで、隣に居た生徒と写真を撮ろうとしたところ、生徒と先生にも
無視をされたと。
インドでは僧は手を合わせられる。日本人は信仰を失ってしまったのかと。
また日本仏教の姿が、今の子供に反映しているのではないかと。
インドでは僧は禁酒、禁煙だが、テレビで僧が酒を飲み、タバコを吸う姿が映しだされた。
その僧の表情が忘れられないと。
日本では子供が僧に寄ってこない。 日本の教育、僧の姿、心の問題。
こんな日本は100年もたないのではないかと佐々井師はいわれる。 


6月に旅行業者から佐々井師の講話があるとFAXを頂き、お会いしたく護国寺
出かけた。境内には700人もの人々が集まり、本堂の中は隙間なく詰め込まれた。
一番前に席が取れ、表情もよく見ることが出来、声も聞けた。
声はダミ声だが凛とした姿。 普通の僧と違い、戦場で戦っているかのような
姿が見えてくる。外国で人を動かすには、一分の隙も許されない。
生命をかけて戦っている武士にも見える。
今迄大勢の僧侶と接してきたが、殺気を感じる僧に初めてお会いした。

質問の機会に私も佐々井師に一つお願いをした。
現在私が取り組んでいるインド ブッダガヤの学校が完成したなら、是非名前を
つけて欲しいと・・・・・余分な言葉があったのか、司会者に遮られた。
この場は佐々井師の偉大な場であり、蛇足だったようだ。
インドでまたお会いする機会があれば、またお願いしてみるとしよう。

佐々井師の言葉の中に、過去、現在、未来が一つになったのがインド。
私もインドに行って、正にそう思った。 伝統、文化、宗教が息づいている。
私達は心の中に宗教を、宗教心を持つことがいかに大事か、忘れているものを
この講話はさらに教えてくれたように思う。
人間の生きる道とは、互いに助け合い、分かち合い、愛し合い、信じ合い、
微笑み合って生きるもの、と佐々井師は教えてくれた。

ありがとう!  感謝でした。