「ニーム」9月勉強会の報告

9月8日、恵みの雨を台風9号が連れて来ました。
勉強会は、久し振りの雨の中満員にて定時に
信田理事の司会でスタートしました。



 日時 平成22年9月8日(水) 13時〜16時30分
 場所 渋谷区立勤労福祉会館



 13:30 開会 NPO法人日本ニーム協会 会長挨拶
 14:00 講演 アルナシリ・イダマルゴダ 氏 (農学博士)
 14:40 講演 中村 浩之 氏 (工学博士)
 15:20 講演 稲葉 眞澄 氏 (NPO法人日本ニーム協会 会長)
 16:00 パネルディスカッション 質疑応答
 16:30 閉会






会長挨拶
  私は家で、クーラー、扇風機を一切使わず、団扇だけで生活しています。
 ゲーテが「人間は自然に近づく程健康になり、遠ざかる程病気になる。」
この言葉の実践をしています。
  この夏の暑さを団扇一本でチャレンジしています。
  8月の幕張メッセニーム商品が売れていたこと。これは商品
  の開発力と価格設定が大事であると思われます。
  今日の新聞で多剤耐性菌(NDMI)の問題がクローズアップされていました。
抗生物質が効かない菌が出たということで、
鳥インフルエンザの時と同じようにパニックになると思います。
  天然生物の抗生物質と考えられるニームの出番が来るかと思います。



講師 アルナシリ・イダマルゴダ 氏(一丸ファルコス株式会社)
 テーマ 「生物多様性条約(COP10)とニーム
  アルナシリ博士はスルランカ生まれ。 インドの大学で獣医博士。
 日本に大学で農学博士を取り、現在日本の大学で教鞭を取るかたわら、
一丸ファルコスの研究開発の責任者として頑張っています。
  私が協会を立ち上げた時から、助言を頂いてきました。
  日本でニームの普及が難しい中で、博士と出会えたことで、
  ニームの本を書かせて頂くことにもなり、数々の助言を頂きました。


  博士は、厚生省とのニーム折衝において、ポジティブシステム
  でのニームオイルとアザディラクチンの安全性についての見解
  を引き出した功労者でもあります。
  一丸ファルコスはインド政府とCBD(生物多様性条約)に基づ
  いた条約を締結し、ニーム産地への植林協力や、利益還元を
  実施するなど、資源国に対する貢献をしています。
  今年10月のCOP10(生物多様性条約第10回締結国際会議)において、
  インドでの成功事例として、その活動内容が発表されます。
  上記を一部スライドを使いながら講演して頂きました。



講師  中村 浩之 氏 (日油株式会社)
 テーマ 「界面活性剤とニーム」 
  日油株式会社 工学博士 中村浩之氏に講演頂きました。
  日油は元日本油脂として、創立が昭和12年からトップを走り続けてきました。
  渋谷区恵比寿に本社を持ち、化学メーカーとして「地球の未来」への責任、
環境、安全への配慮を重視している素晴らしい会社です。
 ご縁からご協力頂けることとなり嬉しい限りです。


  中村博士には、ニームオイルの成分を詳しく分析して頂きました。
  今迄見てきたアメリカの分析よりも、脂肪酸の量が多い値を示し
  大きな興味を持ちました。 スライドで先ずは油について詳しく
  説明して頂きました。 今迄油をこうした形から勉強をしたこと
  がなく、大変誰にも分かり易い形で説明をして下さいました。 
  ニームの油についても自社で研究した分析結果を説明して頂き、
  そして、界面活性剤の説明。 ニームのオイルにはどのような
  乳化剤が合うのか。 例として日油が開発した食品添加物
  ポリソルベート類についての説明をして頂きました。 独自の
  製法で苦味や臭いを大幅に低減した「ウィルサーブ TFシリーズ」
  ポリソルベート類は、2008年4月に食品添加物として新規指定
  された親水性の乳化剤であり、その高い乳化・可溶化力により、
  乳化特性の改善や新しい食品形態の開発が期待されているものです。