ニームと楊枝

 12月16日 入宮氏の紹介で、株式会社 広栄社の 稲葉 修 社長が来社されました。
 稲葉氏は、楊枝を造る会社を経営する傍ら、
 日本歯科人間工学会、日本歯科医史学会 等の会員であり、
 種々の場で講演もされておられます。
  「 楊枝から世界が見える 」等の著書もあり、
 大阪では 「つまようじ資料室」  を毎週土曜日に開室しているとのことです。



 歯のケアの大切さはお釈迦さまが「歯木」を使って清掃するよう
  薦めた2500年前から知られていたことです。



 著書の中の、仏典にみる楊枝の世界には、
   仏は言われた。 「楊枝を噛むことを許す」

  それには七つの利点がある。

 1には  口が苦くならない
 2には  風邪を退治する
 3には  口が臭くならない
 4には  熱気を除く
 5には  痰を除去する
 6には  よく食べることができる
 7には  眼がはっきりする


 仏教とともに発展した楊枝


 楊枝は、奈良時代に仏教とともにわが国へと伝わりました。
 釈迦尊が弟子たちの口の臭いに気がつかれ、
 木の枝で歯を磨くよう説法されたとあります。

 歯磨きに使用する木の枝のことを、
 サンスクリット語で ダンタカーシュタといいます。(歯の木)
 先端をゆっくり噛み砕いて、そしてきれいに歯を磨けと・・・
 歯木は苦みがあり辛みのあるものを良好とし、
 先端を噛むと綿のようになるものを最上とする。


 
 私がインドへ行った時、街中でいまだに木を束にして売っていました。
 正にニームの木であり、人々がそれで歯を磨いている場面を見ることが出来ました。
 感動の何ものでもありませんでした。


 「ダンタ」というのは、英語の デンタルの語源です。
 今でもインドの数字では「ダンタ」は「32」を表します。
 何を隠そう、これは歯の本数です。


 以上、稲葉氏の本より一部引用させて頂きました。


 アーユルヴェーダの教本 「スシュルタ」の治療24章には、
 苦みで最も優れているのは、ニンバ(ニーム)であるといわれています。


 インドではニームの木枝で歯を磨き、
 仏教が中国に伝わった時、中国に同じ木が無かったことから
 「楊(やなぎ)」の木の枝を使ったと聞いています。
 そこから楊枝という言葉が生まれたのです。


 二時間半にわたりニームと楊枝に関する有意義な会談を行う事が出来ました。
 互いに稲葉という性が同じであることから、
   瞬時に距離を縮めました。

 互いにニームに惚れ合っている。
 ニームの良さがわかっている。
 ニームの良き理解者にお会い出来たことが本当に嬉しかったです。


 ニームの一本の楊枝が、世界平和のカード(貧困問題、植林、環境対策)
 となることを確認し、別れる事となりました。

 仏典の中のニームが世界に渡り、
  大きな意味を持って稲葉と稲葉を結びつけてくれました。
   ニームに感謝!感謝!感謝!です。