ニームとセンダンの見分け方

良く受ける質問に、ニームとセンダンは違うものですか?と・・・・・

ニームとセンダンが似ていることから混同される方もいるかもしれませんが、
同じように利用することは大変危険なことです。 注意して下さい。


ニームの属するセンダン科植物は、世界に約50属、500種以上
存在すると言われています。

    ニームの大木

ニームは学名を Azadirachta indica と言います。 通常ニームと言います。
センダンは学名を Melia Azedarach と言います。 通常ペルシャライラックと言います。


高温、判乾燥気象の熱帯地域に自生したセンダン科植物が、
亜熱帯、温帯さらには寒帯地域における環境のなかで、
順化しながら移動していく過程において、このように多種の系統に
変異していったと考えられます。


ニームは木のどの部分を利用しても安全ですが、
センダンは毒性が強いため扱い方が難しく、見分ける見識と
取り扱いに熟練していないと、重篤健康被害を起こす危険もあります。

ニームの自生地や植栽地では、その葉を食べ、ニーム茶として飲んでいる住民が多いですが、
日本のセンダンではそういうわけにはいかず、センダンの葉は有毒であり、
2〜3枚食しただけで、気分が悪くなり、吐き気を催すこともあります。

ニームとセンダンの違いははっきり認識する必要があります。


葉での見分け方 
 1.ニームの葉はやや光沢があり、きめが細かい。  一方、センダンの葉は
   非常に光沢があり、非常にすべすべしている。
 2.ニームの木の若葉は赤色であることが多いが、
   センダンの木の若葉は常に緑色である。
 3.葉を裂いてみると、また違いがわかる。 ニームの葉を指の間で裂くと、
   内側からオイルがしみ出て、軽いスパイスの匂いがする。 一方、
   センダンの匂いは刈った草の匂いがする。
 4.葉を粉砕し、ごく少量口に入れた際、ニームの味は非常に苦く舌に残るが、
   センダンはどれもえぐ味があり、苦さはない。

 

    ニームの葉

    センダンの葉



花での見分け方 
 1.ニームの花は、花びらが白く中央が黄色であるが、 一方
   センダンの花は、白い花びらで中央が紫色である。
   どちらの花もジャスミンのような非常に甘い香りがする


    ニームの花

    センダンの花


実と種子での見分け方
 1.ニームの実は黄色に変わると非常に柔らかくなり、ほんのわずか搾り出す
   だけで種子が現れる。 一方、センダンの実は常に硬く、種子は実から採りづらい。
 2.ニームの種子は、やや甘いセリー状物質で覆われているが、
   センダンの種子にそのようなものはない。
 3.ニームの種子は滑々して涙の形をしているが、
   センダンの種子は卵型で、縦にみぞが走っている。

    ニームの実

    センダンの実



 参考資料

   「ニームは地球を救う」
                稲葉 眞澄  著

   「ニーム
                ジョン・コンリック  著